いま、企業向け事業がどこも不振。
それは、
「飾られた数字と飾られた論理で決める」
から。
特にWEBメディア業界はそれが顕著だ。
しかもWEB関連は、多面的に見て「良い数字」が作りやすい。
会社規模が大きくなるほどそれは顕著。
しかしWEBユーザーは、インターネットの成熟に伴い
どんどん「リアル」化している。
「うそ臭い広告」や「歯の浮くような宣伝」は、
肌で拒否を感じるのが鋭くなっている。
「本当に使えるもの」を支持し、それがばかみたいに高くても
不便でも「価値が認められていれば」それは「支援」され「拡散される」
時代だから。逆なことをすればはやりの「倍返し」になる。
新しく参入するときは会社都合ですぐにリターンを考えたり、
金をむしり取ることを考えてサービスインすればほぼ100%、
「倍返し」を受けるハメになる。
ユーザーが何をほしいのか、ユーザーがどうしたいのかを、軸に
始める必要がある。これには経験やその業界の勘が欠かせないが、同時に、
参入する企業がそれを理解しなければならない。
その理解は「どれだけ赤字をたれ流せるか」である。
WEBメディアはどうしても「先行投資型」になる。
国であればなにもない「野原」から「街」を作る、
農業であれば「種」を撒いて「収穫」するまでの期間が
必要なのと同じだ。
荒れ果てた荒野から一夜に街ができる事、
種を巻いて一夜に実が食べれる事は、お笑いと感じるだろう。
まずこれが全く理解されなく拒否される。この時点で理解がなければ
どんなにやっても勝つことは出来ない。すでに自社でブランド力があれば
その力で短期でも利益を出すことができるが、それはWEBメディア力ではなく
すでに勝ち取ったものをWEBに分散しただけに過ぎない。
真の成功ではなく過去の持ち回りで成功数字を置き換えただけに過ぎない。
実はこれはそのブランド力の衰退を加速させることにも繋がる極めて危険な
行為なのだ。WEBで成功すると皆が安心するから。
じゃぁひたすら赤字を出せばいいのか?ということになるが、
それもちがう。長期的なスパンを見て右肩上がりにシェアをとり、
常に進化していくことで損益分岐点を超えるプランを我慢できるか、
になる。「楽している」「出来ない理由の言い訳」と言われることも
あるが、前段の話のように「一夜にして荒野を街に変えろ」は無理。
つまり「企業は利益を上げてなんぼ」が軸では、
WEB事業はいくらやっても何百億かけても
最終的な利益には結びつかないどころか衰退の始まりだ。
これはいくつか見てきて依頼された中で「共通する定義」だ。
WEBで何かしようとする事が会社組織内で決まると
「簡単に利益が出る」「回収が早い」
に期待がかかるが、それは博打や宝くじと同じ。
特に投資を受けて起業した会社、つまりエリート社長は
投資家に対して「説明責任」から「右肩上がりきれいな数字」を
求められ、資金的にもそれほど融通がきかないので、
過大な数字を作れるところまではいいが途端に破綻してしまう。
WEB事業は、昔日本で商売の美徳とされていたことわざ通りなのだ。
「商と書いてあきない」
「損して得取れ」
「お客様は神様」
お客様は神様。は、なんでも奴隷のようにいうことを聞く意味ではない。
お客様の行動や考えから「学びなさい」という意味ね。
悪い子ばかりを書いたが「WEBで支持されるメディアやブランド」
がもたらす収益という街や果実は、その後安定的に供給してくれる。
そしてそれはワインや漬物、静岡おでんのダシ汁や焼鳥のタレのように、
長くなれば長くなるほど深みが出る貴重な素材になる。
この「強み」は絶大だ。
当然、「赤字」には「他の利益」と「運転資金」が必要である。
垂れ流す赤字だけではできるはずがない。別の事業での利益をどれだけ投資に
向けられるかで「損益分岐点ごえ速度」が決まってくるから、国内での
WEBメディア事業は「会社規模」や「資金調達」はウエイトが重い。
が、企業規模が大きくなるほど「速度」と「コスト」が求められ、
乖離が起こり、冒頭の「不振」を招いているのが現状で、
これが、国内メディアがなかなか成功しない大きな理由で
GoogleやAppleが出てこない大きな要因でもある。
米国はアイディアや奇抜な人材には長期的に私財をつかい支援するのが
金と名誉を得た人の「使命」とされているからね。本来のボランティアでもある。
少し脱線したけれど「有機農法」や「だしの効いたメディア」
の成功事例は「サブカルチャー」が大変多い。
私が深夜アニメやボカロに興味を抱く最大の要因でもある。
放送はとっくに終わってもいまだに人気が持続している数々のアニメメディアは
なかなか成功しない国内メディアでは異質の存在なのに、適当にしか
企業人が誰も学ぼうとしない、誰も真剣に見ない、のも敗因の原因でもある。
ちょくちょく話題にしているが、この下の動画ライブは毎回大赤字。
ライブ収益の2倍以上のコストが掛かってるのは有名な話。
それでも期待に答え海外ライブも行われ更に大赤字だ。
ステマかも知れないがそれでもユーザーは、続けて欲しいから
SEGAが出すミク関連のこのゲームを買うのは「感謝」と「願い」。
今年は横浜アリーナで15000人を集めたライブが開催されたが
SEGA単体ではなく主催は別だが、ここまで持ってきたSEGAに対する評価は高い。
本社が歌舞伎座にあるところが赤字を大げさに宣伝しているけど、
あれは行き過ぎ感はあるけどね。
ユーザーが「便利」か「おもしろい」から「感動」を掴んでから
企業は「利益」を取るのがセオリーであり、その反対はない。
それは、昔から言われている前段のことわざの通り。
「商と書いてあきない」
「損して得取れ」
「お客様は神様」
なのです。