WEBメディアは農業と同じでコツコツ作る

今、WEB業界は次のステップに入ろうとしている。
いろいろな会社の社長さんと話す機会が多くあるが、
ほとんどが
「耳障りの良い理念」
「説得感のある数字とグラフ」
「日本語で言えばいいのに英語を交える」
「専門用語の説明」
のオンパレード。これ、私は大嫌いだった。
言っている本人も、聞いている本人も本音では
「そうならない」と思って発表し聞き入れて、資金を集めたり
貸出や提携を進めているのが透けて見えていたから。
しかしある意味仕方ない。WEBメディアを事業とするとどうしても
先行投資型になるので資金の集め加減により事業規模が決まるためだ。
だから学歴とそれに見合う数値表現のうまい奴が金を集め金の力で
なんとかなっているのが「当たり前の常識」だったためだ。
そしてそれが「株価」に反映し強力な資金力をつかい金の力で
短期費用効果の高い大企業を相手に商いを行ってきた。それで
アクセスを稼ぎ拡大していた事業モデルが成功を掴み、
その成功者がセミナーを開きその手法が「事業モデル」として
次々に生まれてきたのが日本のメガWEBメディアだ。
はっきりかけば、最終利用者の金を原資に投資家や投資企業利益を潤わせる仕組みだ。
黎明期から成長期には資金力や国際経済力の強い日本であればそれでどうにでもなる。
雇用が安定し金が回っている仕組みが回っていればだ。
しかしここ5年前辺りからWEBメディアは成長期から成熟期になり様相が変わってきた。
黎明期から個人のサブカルチャーパワーを後押しするAppleやGoogleという存在だ。
彼らは「金が無いやつに向けたサービス」を成熟させてきた。
数々の失敗をしてもなおブレずに。
日本と同じ数のマジックと見栄えの良い論理で投資家や大企業から
金を引き出していたのは同じだ。
違うのはその金でサービスを最終消費者に開放し最終消費者の成長を待って
刈り取る仕組みだ。
短期決戦ではなく長期スパンでの持久戦略だ。すべてがうまくいくわけもなく
すぐに目は出ない、腐ってそのままもある。
大成長してもコストばかりで利益が出ないなんてのもある。
そのたびに叩かれ追い込まれてもなおブレずに続けてきたモデルが
じわりじわり伸びてきた。
YouTubeやiPhone、iTunes、Google Earth、Android、GoogleAPI、Adsense・・・
豊富な資金力で自社メディア以外に買収したものもあるが今や一つも知らない人はいない。
ユーザーが支持する圧倒的なブランド力とユーザーが考えるユーザビリティシステムを使い
ユーザーが作り上げる膨大なコンテンツ、アプリ、メディアにより、収益モデルの確立、
無価値を価値化する仕組みで投資家還元である株価をあげ、その無限サイクル実績が
拡大している。
日本式メディアは農業ではなく工業式であるため常に自力で成功物を
作り上げて行かなければならない。
それはコストが伴うために短期決戦で失敗を許されない険しい道程だ。
もちろん爆発的に当たれば一気に巻き返すが宝くじと同じだ。
一方、GoogleやAppleなどは農業式だ。
田畑を作り整備して田畑を耕す機材を用意し「種」を配る。
彼らは「種」を使うものから、成功や失敗を「糧(かて)」に、よりよい肥料の開発、
機材の開発に専念し、手軽におもしろアイデイアを成功するように後押しをする。
「種」が失敗しても成功しても母体が揺るがない仕組みだ。
私にとってそれは思っていたとおりのワクワクする時代。
自分でコミュニティサイトを作り成長させ、あめぞう、2chに入り浸るなかで
個人の密かに持つ文章センスとアイディアポテンシャルの凄さに必ず将来、
ヲタクと言われる事に微塵も屈しない彼らがイニシアチブを
取り世の中に割って入ることになるとずっと思っていた。
が、同時にそれを後押しする仕組みに必要な「資金」という壁を崩せなかった。
この壁が農業式によって崩れアイディアと行動力のある個人が世界を相手に戦えるわけだ。
そしてそれが「論理や数字に金をかけてもメディアにはならない」という
新しい常識を作ったわけだから。
じつはこれ、日本でも似たような仕組みで莫大に成長したカルチャーもあるんですよね。
法人企業が手軽に利用できない数百億円の効果をもたらすキャラクター、それはまた明日に。
そうそう、、投資家や銀行、国の機関に説明した時
「目的別に高機能サービスを設置開放し自由にユーザーに使わせよう」
「WEBメディアは後々利益を生む営業マン」といったら馬鹿にされ
相手にされなかったので、なけなしのお金で自力でメディアを作り、そこそこの資金を
手にしていた自分が間違っていなかったような気がする小市民にとっては少し嬉しい今日このごろw
 

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